大阪市福島区 / LEICA M8 + ELMARIT-M 21mm F2.8
匂によって呼び覚まされる記憶がある
普段はすっかり忘れ去っていることが
匂いに誘われて
ふっと意識の表に浮き上がってくる
生きているといろんな匂いが記憶の底を
漂っているものだ
子供の頃
近所の商店で貰ってきた俵や落ち葉を広場で燃やし
その灰の中にサツマイモを入れて焼き芋を作ったりした
随分と遠い記憶だ
灰の中なら取り出した熱々の焼き芋を
二つに割ったときに立ちのぼる湯気と匂いや
燃えた藁灰の匂いなどが私の記憶の中にある
たき火の後の灰を
家の火鉢に入れたりもしたが
その火鉢も家庭から姿を消してしまった
火鉢をたまに見かけるとしたら
下町の軒下で植木鉢と化した姿くらいだ
大阪の下町は路地（ろおじ）のような細い通りが多く
私の育ったのもそんな場所だ
路地をふらふら歩いていると
飼い主が戻ってくるのを待っているのか
貫禄のある猫が玄関の前に座っていた
家の前には植木鉢と・・・
〝火鉢〟を発見
これは大阪の〝ろーじ〟の定番
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C8 C3 06 1212 019
