懐中時計を買ったことは、先日の〈亀カメラ〉に書きました。
腕時計はたくさんありますし、懐中時計も立て続けに壊れましたが、一個残っています。
時計が無い訳ではないし、あと数年もすれば、毎日が日曜日で、時計なんて必要ない日々の暮らしになりますので、時計を買うことに迷いもありました。
歳をとるに従って不必要な物を削ぎ落として、徐徐に身の回りを整理し、本当に気に入ったものとの簡素な生活をしたいという願望もありますので、ここにきて新たに懐中時計を買うことに抵抗もありました。
どうせ買うならと、ながく付き合える、私にとって〈本物〉をと考えたのですが、現在の(この先もかな・・・)私の懐具合では高値の花で、これは手が出ません。
私が本当に欲しいのは、スイスの〈Jaeger-LeCoultre〉の懐中時計です。
節度を守った、気品のあるその容姿は、まさに宝物です。
高嶺の花は夢として、現実的なところで、ちょっと背伸びをすれば手が届くもの・・・
出来れば、機械式で手巻きのもの。
実は随分まえから目星を付けていた時計がありました。
それが、今回買った〈ROYAL ORIENT WE0041EG〉です。
機械式で手巻き・・・時計としては、古式ゆかしい部類に入ります。
昨今では電池で動く、クオーツ時計が主流です。
歯車がぎっしりと詰まって、ゼンマイを動力にする時計は時代遅れなのかも知れませんが、なぜかそんなものにこころ惹かれます。
そういえば、カメラもフィルムカメラの時代には、カメラには巻き上げレバーというものが備わっていました。
何を巻き上げるかというと、フィルムを動かすのです。
シャッターを押して、写真が写ったフィルムをレンズの後ろから移動させ、新しいフィルムをレンズの後ろにゼットする・・・その作業を人間が手で行う装置が〈巻き上げレバー〉です。
その後、コンパクトカメラで、時計同じようにゼンマイバネを動力にして自動で巻き上げてくれるカメラが出ましたが、一眼レフカメラでは電池を動力源にしたワーンダーとか、モータードライブという装置をカメラ本体に取り付けて、自動でフィルムを巻き上げるようになりました。
モーターが小型化されるなどの改良に伴い、フィルム巻き上げ装置はカメラ本体の中に組み込まれるようになり、多くのカメラから巻き上げレバーが消えていきました。
そんな時代でも、私は巻き上げレバーにちょっと拘っていました。
このことはずいぶんと以前に〈亀カメラ〉に書きましたが、おそらく当時の〈亀カメラ〉はトラブルで消滅してしまいったでしょうから、皆さんにお読みくださいと言えません。
当時、書いたことを要約すると、「巻き上げレバーを動かす動作で撮影したという実感と、撮影リズムを作っているので、巻き上げレバーは私にとって不可欠」といったようなものでした。
私のカメラもデジタルカメラになり、当然、巻き上げレバーを動かすこともなくなりましたので、せめて時計のゼンマイを巻く・・・これも乙なものかも知れません。
毎朝、懐中時計にゼンマイを巻く。
一日の生活リズが刻まれ始めます。



































































