写真というものは、経験値の多さが反映される

大阪で写真を撮るときに良く出かける町の一つに天王寺があります。
聖徳太子で有名な四天王寺方面に向かうとき、JR天王寺駅を出て、谷町筋を上っていきます。
谷町筋は広くて殺風景な幹線道路ですので、あまり写真になるようなものはありません。
途中の二股道になっているところから谷町筋から逸れ、右の細い生活道路の方にいつも入っていきます。
店先に犬が寝そべっている犬を無理矢理叩き起こして、ちょっと寝ぼけ顔のところを写真に撮ったりしながら、のんびりと歩きます。

110309.034 大阪市天王寺区 M9 Sn28a#
大阪市天王寺区 | LEICA M9 + SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH.


東京の〈人形焼〉に似た〈釣鐘まんじゅう〉というものが大阪にはあります。
有名どころとしては〈釣鐘屋本舗〉と〈総本家釣鐘屋〉とがありますが、どちらも明治33年操業だそうです。

〈釣鐘屋本舗〉は、通天閣のお膝元にお店がありますが、もう一方の〈総本家釣鐘屋〉のお店が谷町筋を右に逸れた、私がいつも通る道沿いにあります。
甘い物好きの私ですから、いつも店の中を覗いてみるのですが、買わず仕舞いで店の前を通り過ぎてしまします。
この日も店の中を覗いてみると、白い上っ張りを着た男女二人の店員が店先に居ました。
男の方は新聞を広げて読んでおり、女性の方は俯き加減で、どことなくお店に活気がありません。
この日は、仏さんになってしまった親父と一緒に食べようと、天王寺駅に近いところにある〈南春日(あもや)〉で串団子を買って持ち歩いていましたので、今日も〈総本家釣鐘屋〉の前を素通りでした。

2007.03.05-035 大阪市天王寺区 M8 et28a#
大阪市天王寺区 | LEICA M8 + ELMARIT-M 28mm F2.8 ASPH.

110309.039 大阪市天王寺区 M8.2 St35 2.5#
大阪市天王寺区 | LEICA M8.2 + SUMMARIT-M 35mm F2.5

この辺りはお寺が多いこともあって、仏事に関したものを商うお店もたくさんあります。
そんな店の前に巡礼姿の人形が立っています。
最初写真は2007年3月に撮ったもので、次の写真は2011年3月に撮ったものですから、二枚の写真の間には三年の月日が経過していることになります。

手ぬぐいの冠りかた、笠の乗せかたが違っている所為かもしれませんが、この人形、三年の間に
随分と老けたと思いませんか?
一枚目の写真では、まだ若々しい色気のようなものが見えますが、二枚目の写真からは妙に生活やつれした雰囲気が漂ってきます。

人形も、生身の人間同様、老けるようです。
人形に限らず、人や町の景色でも老けることで、写真の被写体として魅力を増すことが多いのです。
色あせたもに、錆びたもの、凹み傷ついたもの・・・そんなものに足を止めるのは、こちらの身も心も同様なのかも知れません。
これは決して悲観的な意味で言っているのではありません。
写真というものは、経験値の多さが反映されるように常々思っていますので、写真を撮る人間が老けるということは有意義なことではないでしょうか。

どこの饅頭が美味しいかなんてことも、分かりますしね。

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みかん猫67

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