大阪の象徴、通天閣

〈大阪黄金街道〉と勝手に決めて、その道順を写真と一緒に紹介していますが、その街道筋の景色は今風に奇麗でも、華やかでもないものです。
ただ、昭和22年に大阪で生まれた私にとってはどれも懐かしい景色なのです。

昭和22年は戦後のどさくさの時期で、誰もが生きることで精一杯だったと思います。
生まれたばかりの私などには分からないし、記憶にも残っていませんが、数年後のもの心ついた時代でも、状況はそれほど変わっていなかったと思います。
町中には空襲で焼けて鉄骨だけが残っている建物もありましたし、くず鉄拾いで生計をたてている人が居たりしていました。

そうですね、時代的には宮本輝さんの小説『泥の河』の時代です。
小栗康平監督の映画『泥の河』の黒白で映し出された映像は、まさに私が眺めてきた時代そのものです。
そこには本音が飛び交い、見栄や世間体など気にしていられない生身の生活があったと思います。
そんな泥臭さが残る町も、時代とともにどんどん姿を消しています。
また、町の姿は残っていても人の営みが感じられなくなってしまったところも少なくありません。
懐かしい環境と人の生活が渾然一体となって、いまも残っているのが〈大阪黄金街道〉の道筋の町ではないでしょうか。


110309.194 大阪市浪速区恵美須西 M9 Sn28a#
大阪市浪速区恵美須西 | LEICA M9 + SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH.

〈大阪黄金街道〉の何処からでも見えるというものではありませんが、このあたりのランドマークはなんと言っても〈通天閣〉ではないでしょうか。
以前は時折、ふらっと上って〈ビリケンさん〉の足の裏を撫でたりしていましたが、このところはご無沙汰です。

〈通天閣〉は大阪の象徴と言えます。
最近、話題になっているのっぺらぼうでノッポの塔なんかより、前近代的な手作り感に満ちた〈通天閣〉の方が人間的な暖かみが感じられるのは私のような大阪に縁のある人間だけでしょうか。

前回の〈亀カメラ〉に引き続き、道端で酔いつぶれている人を撮った写真です。
道路のど真ん中で倒れていますので、さすがの私も、近くに居た人たちに、「この、おっちゃん、このままでええんかいな・・・」と声をかけてみたのですが、「ほっとき、ほっとき、いつものこっちゃ」とのこと。
それでは失礼して・・・と、倒れたおっちゃんをほったらかして、頭の方から、足の方からと写真を撮らせてもらいました。

CB0308.017 大阪市浪速区#

CB0308.011 大阪市浪速区#
大阪市浪速区 | LEICA M8.2 + SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPHERICAL

遠くに〈通天閣〉が見えましたので、通天閣を入れて撮ったのが上の写真です。
通天閣を入れるのは良いのですが、倒れたおっちゃんは足下から写すことになります。
通天閣は入れたいけれど、足下からではちょっともの足ります。
そこで、近くに立っていた人、何事も無かったかのように横を通り過ぎる人々といった諸々の要素を取り込んで写真にしてみました。


大阪市天王寺区 | LEICA M9 + SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH.

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みかん猫67

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