2014年10月アーカイブ
町で子供の写真を撮ろうとすると「知らない人から写真を撮られてはいけませんと学校で言われてます・・」などと切り返されます。
いろいろと理由はあるのでしょうがなんだか厄介な時代になったものです。
子供と同じようにレンズを向け難いもが〝女子高生〟。
妙な下心はないのですが、どうもいけません。
そう言うことで・・という訳でもないのですがマネキンの女子高生の足など撮ってみました。
所用で訪れた高校の玄関を入った正面のところにあるシューケースの中に男女の夏服、冬服のマネキン四体が飾られていて、その足です。
どいうでも良いことなのですが、右足のソックスの皺が気になったのです。
まあ、こういうどうでも良いものを撮っていると胡散臭く見えるのでしょうが。
宮本輝さんの小説を小栗康平監督が映画化した『泥の河』。
そのなかで主人公〝信雄〟の父親役の田村高廣さんが〝きんつば〟を焼くシーンがあります。
明けても暮れても黙々と〝きんつば〟を焼き続ける〝信雄〟の父親。
そこで、「きんつばを焼くんはお父ちゃんの仕事や・・」と芦屋雁之助さん演じる荷馬車の男が信雄に言います。
熊本県の山鹿に
きんつばではないのですが、黙々と〝回転焼〟(今川焼)を焼いている男性が居ます。
看板も暖簾も店の名前すら見当たりませんが、今回の旅でも相変わらず回転焼を焼いていました。
その姿を見る度に信雄の父親を思い出します。
朝夕、肌寒く感じるようになってきました。
と云うことで、これまで冷やで呑んでいた日本酒を燗つけをして呑むことにしました。
電子レンジで〝チン〟という手もありますが、どうせならお湯を沸かして・・・
ここまでは良かったのですが、ちょっと油断しているうちにお酒は茹で蛸になってしまいました。
熱燗はちょっと苦手なのですが、舌を火傷しないようにそろりそろりと頂きました。
お酒を温めるというごく簡単なことでも、油断すると思い通りにならないということを再認識させられました。
単純なことほど奥が深いということもあります。
東京都台東区上野 / SONY RX1 × Sonnar 35mm F2
日が傾きはじめました。
シンプルだけど目立つ看板に〝清酒〟の文字。
〝日本酒〟ではなく〝清酒〟。
なんか良いですね。
季節と自分の人生を重ねるとしたら
〝秋〟でしょうか。
ときどき気弱になることもありますが、まだまだ気力、体力ともに残っているつもりなので〝冬〟までには少し時間がある・・つもりです。
しかし、季節の秋から冬の間が短いこともこれまでの経験から知っています。
人生もそんなものかも知れないとほんの少し機を引き締めています。
福岡県糟屋郡新宮町 / SONY α7R × MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5
散歩の途中で立ち寄り一休みする神社で蜘蛛の糸に引っ掛かっている落葉を見かけました。
虫に食われ穴だらけ。
葉そのものはとても奇麗とは言えないけれど
秋の西日に照らされて、風にゆらゆら揺れて様子を見て、気楽に秋を楽しむのもまんざらではないよと教えられたようです。
この前を通ると、いつも撮ってしまいます。
相も変わらず、今日もまたです。
これまで何度も撮ってきたなかで今日のものが一番良いように思えます。
これは撮るときから、今日は良いな・・と感じていたのです。
適度な老け具合。
植物の具合。
影の無い穏やかな光の具合。
私の体調や気分の具合なども影響しているのかも知れません。
すべての〝具合〟が程よく結びついたのでしょう。
福岡市博多区 / SONY α7R × DR Summicron 50mm F2
散歩中の犬がマーキングするように、いつもこの道を通ると写真に撮るお約束の場所です。
当然、変わりばえのしない写真がまたまた出来上がる・・・
とも、言えないのですよ。
毎日同じようで、毎日違うのです。
だから今日も撮って、「今日のが一番良いや」と自画自賛です。
ズームレンズ全盛のこのご時勢なのですがズームレンズは苦手です。
食わず嫌いはいけませんよ・・ということで何度か挑戦してきましたが、いずれも失敗。
手元には一本のズームレンズも残っていません。
コンパクトカメラも35mmの単焦点レンズが着いたものを使っています。
ズームレンズは描写性能が気に入らないなんてことは言いません。
なんとなく不格好で、大きくて重いのが嫌という、極めて次元の低いところで毛嫌いをしています。
嗜好に合わないのです。
そうなんですが、凝りもせずまたまたズームレンズです。
借り物です。
格安の値段ですから気に入れば手に入れるつもりで使ってみました。
さて、その結果は・・
福岡市早良区 / SONY α7R × VARIO ELMAR-R 35-70mm F3.5
汚れたバスの窓越しに撮りましたので、光学性能を云々することはできません。
このように身動きがとれないときにズームレンズは有効です。
思い通りのフレーミングが可能なのですから。
ただ、あまりフレーミングの拘り過ぎて、もたもたズーミングしていると、撮影のタイミングを逃してしまうこともありますけれど。
千円でレンズを買った話は今日も続きます。
28mm、35mm、55mmの三本のレンズを四千円で買いました。
そのうちの35mm、55mmレンズはそれぞれ千円という考えられない値段でした。
ジャンク品といっても良い値段なのですから文句は言えないのですが、55mmレンズの描写がちょっと気に入りませんでした。
まあ、千円ですからちょっとくらい気に入らなくても目をつむるのが普通なのでしょうが、厚かましくも難癖をつけてレンズを取り替えてもらいました。
この図々しいところは大阪人の本領発揮です。
福岡市中央区天神 / SONY α7R × MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
実は55mmレンズは最初に買うときに二本候補があって、そのうちの二番目を選んだのです。
なぜ、二番目?
シリアルナンバーから判断して見てくれの一番目良い方が年代的に新しく、二番目の方が古かったので、古い方を選んだのです。
古いレンズの方が個性があるかと思った次第です。
ぶらぶら歩きながら、交換してもらったMC ROKKOR-PF 55mm F1.7でテスト撮影です。
ビルの窓ガラスに西日が反射しているところを敢えて狙いました。
思っていた通りの光の滲みが出ていてなかなか良い感じです。
千円ですから、もう文句は言いません。
撮影の日は生憎の空模様。
若い頃は撮影の日には「雨よ降るな」と願っていましたが、この歳になるといささかいい加減になって「雨なら雨でもええか・・」と思うようになりました。
何事においても歳をとると適当になるようです。
まあ、生来ずぼらな性分ですから、歳をとったからという訳ではないのですが、若い頃には妙なところに拘ったりしていたのが、エエ加減領域が歳を重ねるにしたがって年々拡がっています。
そんな自分に気付いてからというものは、写真のレンズなども、ある程度エエ加減なところのあるものに親近感を覚えたりします。
熊本県南小国町 / SONY α7R × ELMARIT-R 28mm F2.8
最近の撮影ではデジタルカメラのSONYのα7シリーズを基本ボディにして、フィルム時代のレンズを使うことが多くなりました。
人間が知恵と工夫で頑張ったけれど、完璧なレンズが出来なくて曖昧なところを残している・・そういったものがフィルム時代には多かったと思います。
レンズ三本を四千円で買った、その三本目として本日登場するのが28mm F3.5です。
35mm F2.8が千円、55mm F1.7も千円。
そしてこの28mm F3.5が二千円ですから、このとき買った三本のレンズの中では一番高価なレンズということになります。
最初の二本はレンズキャップ代わりに使われていたもので、レンズとしての値段がなく、成り行きで千円という値段が決まったのですが、28mmはちゃんと二千円とレンズとしての値段が付いていました。
しかし、商品としてきちんとショーウインドーに飾られていたものではなく、がらくた置き場のようなところに押し込まれていたものを私が見つけ出しました。
あまり懐の傷まない値段で、半世紀くらい前の学生時代を懐かしみながら遊べるのですからRokkorレンズ様々です。
福岡市東区 / SONY α7R × MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5
九州大学の箱崎キャンパスの前に一風変わった雰囲気の一画がありました。
昭和の文化住宅といったもので、韓国や中国などアジア的な空気が漂っていました。
無住の家もあって、遅かれ早かれ消えて行く運命なのでしょう。
そのなかで見つけたドア。
番犬注意・・といったところでしょうか。
しかし、こんなに可愛くちゃあ番犬にはなりません。
最近、よく歩くところが福岡市博多区千代。
そこには被写体とちょっと休憩に立ち寄る〝中古カメラ屋〟さんがあります。
このご時世にフィルムカメラがショーケースに並んでいます。
ある意味時代に即していないので、お客さんはいつも少なく休憩には丁度良い場所です。
ショーケースの中に並んだ数台のミノルタのフィルムカメラには店主曰く「レンズキャップ代わり」の55mm F1.7レンズが着いていました。
「これ、レンズだけだといくら?」
と、聞いてみると「1000円」との返事。
すべてを取り出して並べてみると5~6本あったでしょうか。
そのなかに35mm F2.8も一本混ざっていました。
「これは?」と聞いてみると、「それも1000円」とのことで早速、手に入れました。
それが昨日のレンズです。
福岡市東区 / SONY α7R × MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
今日は、同じ1000円レンズの55mm F1.7で撮った写真です。
ここは普段、都市高速を走るバスの窓から海の景色を撮っている場所です。
この日は都市高速の下にあり、大型トラックが行き交い微妙に揺れる橋の上に立って撮りました。
この目はいったい何を考えているのだろうか・・
いや、なにも考えていないのです。きっと。
タイミングを計っているだけなのです。
いまの状況から次にどういうことが起きるのか、過去の経験に照らし合わせているのです。
そして、次に自分(ねこ)がとる行動が決まります。
決して頭で考えるのではなくて、身体が自然と状況の変化に即して動くのでしょう。
私が何かしようとしたその気配にねこは反応して動き出します。
ねこの行動パターンは、己の行動パターンでもあるのです。
私もねこも変わり映えのしない生活を送っているということです。
そんなことを面白がってねこたちと暮らしています。
福岡市東区 / SONY α7R × DR Summicron 50mm F2
撮影機材、写真プリント、ネガ、額縁それに本など私の写真関係のものを押し込んでいる部屋。
カメラやレンズの点検をしている横で、我関せずといった様子です。
しかし、これまでの私の行動パターンから、次の行動に移る間合いを計っているのです。
「よっこらしょ」と腰を上げようとすると、ねこはストンと椅子から飛び降りて、私の行動を先読みして私の前を時折振り向きながら歩いて行きます。
大学の前のバス停にバスが停まったとき、可愛い、おそらく大学生だと思われる女性を見つけました。
彼女をぼんやりと眺めているときに、ふと〝愚図〟という曲が頭の中に浮かびました。
阿木燿子さんの詩で研ナオコさんが歌ってヒットした曲です。(作曲は宇崎竜童さん)
♪ あの娘はまつ毛が自慢の娘で 瞬きしながら人を見るのさ・・というフレーズ。
ちょっと上目遣いで瞬きしながら甘えた話し方をする女性。
バス停の可愛い女性は、まさにそれでした。
くわばらくわばら。
福岡市東区 / Nikon D810 + AF-S Nikkor 58mm F1.4G
女性のポートレートなんて全くと言っていいほど写真に撮りませんので、まつ毛が自慢の娘の写真はありません。
ということで、雰囲気だけでこの写真を選びました。
うさぎにまつ毛があるかどうかは知りませんが。
歩くことは嫌いではありません。
でも、新鮮な空気を吸いながら自然の中を健康的に歩くより、埃まみれの街中をごそごそと歩く方が性分にあっています。
これは生まれ育った環境の影響だと思えます。
自然の中を歩いていても、そのうち退屈になってくるのです。
それに比べ街中を歩いていて退屈するなどといったこととはありません。
見るものも写真に撮るものも街中にはたくさん溢れています。
まあ、このことは興味のありようの違いであって、善し悪しの話ではないのですが。
自然や植物などが好きな人は田舎道へ、森の中へということになりますからね。
福岡市中央区天神 / SONY α7 + MD.W Rokkor 35mm F2.8
ビルの谷間を歩いていて風を感じたり、印象的な光に出合うことがあります。
ビルの谷間を走り抜ける風、壁や窓ガラスに反射して道に落ちてきたひかり。
そんなものを写真に撮って・・どうなるものでもないことは分かっているのですけどね。
でも、嬉しいのです。
明け方に夢を見ました。
目覚めたときにおぼろげに夢の内容を思い出せそうだったのに、しばらくしたときには、夢に内容はすっかり頭の中から消え失せていました。
さほど悪い内容ではなかった気がするのですが、夢を見た、そしてその内容を思い出せないということ意外はなにもありません。
夢の世界は〝現〟の世界に持ち帰ったり、人に話してはいけませんと、夢世界の偉い人が夢のことを忘れるよう目覚めるときに呪文をかけたのでしょう。
その呪文を破ると〝浦島太郎〟さんのようになってしまうのでしょう。
福岡県阿粕屋郡新宮町 / SONY α7 + M-Rokkor 40mm F2
山裾歩きをしているときによく立ち寄る神社。
そこで頭上に何か落ちてきました。
転がったものを見てみると色づいた銀杏の実でした。
銀杏の実が頭に当たった時の刺激と目の前に転がった黄色い実。
これは夢の話ではないのです。
でも、銀杏の実は持ち帰りませんでした。
林の中を歩いていたら、野鳥の写真を撮っている人と出会いました。
私の手にしたカメラを見て、「今日は何の写真を?・・」と聞かれたので・・
「ええ、まあ・・散歩です」と私。
「どんな写真を撮っているのですか」とか
撮影中に横合いから「何を撮っているのですか・・」と聞かれたときにはいつも答えに困ります。
「ええ、まあ・・この色褪せた感じが・・」などと話してみたところで・・
「は〜 そうなんですか」と生返事が返ってくるだけです。
熊本県阿蘇郡小国町 / SONY α7R + ELMARIT-R 28mm F2.8
野鳥の写真を撮っていた人は別れ際に、「山蛭に気をつけて」と注意をしてくれました。
詳しく話を聞くとこの地のビジターセンターの人でした。
この森にはいろんな生き物がいて人間もそのなかで共存している種のひとつ。
カブトムシなんか採ってはいけませよ。
・・・季節柄もう居ないか。
相撲
最後に取ったのは・・
小学校のころだろうかな
小学生の頃は、栃錦 vs 若乃花(初代)の時代で、こどもたちの間でも相撲は人気がありました。
〝朝潮〟ってお相撲さんが少年向けマンガ雑誌の表紙になったのを覚えています。
いまどきの子供の大半は相撲は興味ないのだろうな。
これまでで私の好きだったお相撲さんはちょっと昔の人だと〝吉葉山〟〝清国〟、現役では〝安美錦〟。
私なりには皆さん美形のお相撲さんたんてちなのです。
福岡市東区 / SONY α7R + Contax Distagon 28mm F2.8
我が家の兄弟猫。
猫社会ではもう壮年期に入っていると思うのだけど、未だに子供みたいに兄弟で相撲を取ったりして遊び回っています。
この勝負、上手投げで茶太郎関の勝ち〜。
負けた銀次郎関の方が身体は大きく立派なのだけどね。
小兵力士が巨漢力士を投げ倒すのもお相撲の醍醐味ですね。
夏が始まる頃に、庭のあちらこちらから〝フウセンカズラ〟が芽を出しました。
数年前までは〝グリーンカーテン〟を作っていましたが、最近はそんなこともしないまま夏の日差しをやり過ごしてきました。
そのときの名残が夏を前に芽吹いたのです。
一念発起してフウセンカズラを寄せ集めグリーンカーテンに仕立てたものの、自然発芽したものを植え替えたりしているものだから、夏の日差しを遮ってくれるまでには育たないまま夏も終わってしまいました。
フウセンも茶色く色づき、蔓から落ちはじめています。
そろそろカーテンを外さなければ。
いやいや、まだ緑が残っていますので、全体が茶色くなるまでもう少し放っておきます。
熊本県阿蘇郡南小国町 / SONY α7R + ELMARIT-R 28mm F2.8
写真は他人様のお宅です。
一夏の役目を終えてグリーンカーテンもぼろぼろになってしまったようです。
来年は〝朝顔〟もフウセンカズラと一緒に植えようかな。