先日、「植田正治写真美術館」で販売されている冊子、「植田正治の写真」を自宅の書棚から抜き出してみると、中に小さな紙片がたくさん挟まっていました。
すっかり忘れていましたが、これは植田正治先生と一緒にこの本を見ているときに、話して下さったことを書きとめておいたものでした。
例えば、「植田正治の写真」116頁に掲載されている帽子をかぶった夏服姿の少女の写真については、「ハッセル 500CM 250mm ゾナーを買って一枚目の写真」というメモが挟まっていました。
この写真は植田先生の代表的なシリーズ、『小さな伝記』のなかの一枚です。
いまはもう発行されていませんが、以前、〈カメラ毎日〉という写真雑誌がありました。
その一月号に、この『小さな伝記』が掲載されていましたので、一月号がでるのを毎年楽しみにしていたものです。
この夏姿の少女の写真のことが気になって、古い〈カメラ毎日〉1月号を引っ張り出してきました。
見つけました。
1974年の1月号に少女の写真は載っていました。
撮影場所は〈松江市佐阿陀〉となっています。
撮影データを確かめてみると、やはりSonnar 250mm F5.6となっていました。
見開き頁の反対側には白衣を着た看護婦さんの写真が載っていました。
私の記憶が正しければ、これは植田カメラ店のすぐ近くで撮られたものと思います。
この辺りを植田先生と一緒に歩いた記憶があります。
全てが楽しい記憶です。