私が大阪から九州福岡の大学に出てきたのは1967年ですが、最初は夜行の寝台特急で来ました。
夜に大阪を出て、早朝に博多に着く、一晩かけての移動です。
当時、山陽新幹線はまだ開通しておらず、
在来線の山陽本線を走る昼間の特急は9時間くらいかかったでしょうか。
いずれにしても移動だけで一日仕事でした。
それでも、昼間の特急に乗れば、瀬戸内の輝く海を眺められたりして、結構、車窓の景色が楽しめたものです。
ハワイ カウアイ島 / MAMIYA 7 × N 80mm F4L
旅先での写真について、
植田正治先生と話したことで、耳の残っていることがあります。
「丸尾センセ、そらもう360度、どこを向いても写真になりますワ」
植田先生が〝先生〟と発音されるときにはセンセイの最後の〝イ〟の音が抜けます。
その独特のイントネーションの声が蘇ってきます。
『そらもう360度、どこを向いても・・・』の話は植田正治先生が初めてのヨーロッパ旅行から戻って来られたときの話です。
その後、何度かヨーロッパに行かれ、撮られた写真は〔植田正治小旅行写真帖 音のない記憶〕(日本カメラ社|昭和49年)のまとめられています。