2018年9月アーカイブ
福岡市博多区 / LEICA M10-P × SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH.
銀杏は好きな木です。
葉が黄色く色づいたときの美しさ、また、葉を落とした後の樹の姿そのものも素晴らしい。
東京の銀杏は美しい。
街路に黄色い絨毯を敷き詰めたような、その上を、ちょっと気を使いながら歩く気分は格別。
私の暮らす福岡も銀杏の木をよく見かけます。
しかし、東京と違って、福岡の銀杏を思い起こすとき、
黄色く美しい葉ではなく、銀杏の実が頭に浮かぶ。
私がよく利用する二つのバス停。
そのどちらにも側に銀杏の木があります。
踏みつけられた銀杏の実から漂ってくる独特な匂いを嗅ぐと、
「秋だな」と心の中で呟いています。
歯医者に通っています。
通院の途中にある駐車場の片隅。
何がどうなのか分からないのですが、いつも気にしながら横を通っています。
とうとうその日が来たようです。
「写真を撮ろう」と思う日が。
黄色いバラが一輪咲いていたのがいつもと違うことでしょうか。
福岡市東区 / LEICA M10P × SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH.
虫歯の治療はこれまで何度も経験しているのですが、
歯が悪くて、困ったと言うことはありません。
それでも、歳相応に衰えは来ているようです。
昔、治療してもらった歯の中が悪くなっているようなので掛かり付けの歯医者に出かました。
レントゲンを撮ったり、検査の結果、その歯を抜くことになりました。
これまで、できるだけ抜かないで治療してもらってきたのですが、
とうとうその日がきました。
「抜かせていただきます」
これが、抜歯前にお医者さんが呟いた言葉です。
「7歳くらいに生えた歯です。長い間ご苦労さん。」と、そんなような話が続きました。
私に向かってと言うよりかは、これから抜く歯に向かって語っているようでした。
思っていたより簡単に60年以上私の口の中で頑張ってくれていた歯は役目を終えました。
福岡市東区|筥崎宮 放生会 / LEICA CL × ELMARIT-TL 18mm F2.8 ASPH.
少し前に、
『人の居ない祭りならなんとか撮れます。』
『あまり子どもは得意ではない』と言いながらも人を絡めたスナップ写真ばかりなので、
ここらで本領発揮。
何がどう・・とか、
ここがこう・・とか、説明を求められても困ってしまいます。
撮っている本人も、なんだか解らないまま、
気が向いたので撮ってます。
ええ加減なものです。
まあ、お祭りだから堅苦しいことは抜きにして・・
そういえばマグリットの作品に、昼の空の下に夜の街を描いたものがあったけれど、
そんなものがイメージの片隅にあったのかも。
福岡市東区|筥崎宮 放生会 / LEICA CL × ELMARIT-TL 18mm F2.8 ASPH.
写真を撮る被写体として、お祭りはあまり得意ではありません。
それでも、人の居ない祭りならなんとか撮れます。
ですから、小ぢんまりとしたお祭りとか、朝の早い時間帯とか、雨の日などが打って付け。
筥崎宮の放生会。
福岡を代表するお祭りの一つですから、すごい人出です。
苦手な祭りなのですが、ご近所ということもあって、ちょこっと顔を出します。
まずは下見。
そのときに、撮影できそうな所に目星をつけておきます。
本番は朝一番に。
その店が開店する前にちょっと失礼して写真を撮ろうという魂胆です。
と、云うことでこんな写真が撮れました。
福岡市東区和白東 / SONY A7RM3 × SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPH.
知識が曖昧だったので〝スローライフ〟という言葉について調べてみました。
『スローライフ(Slow Life)とは、生活様式に関する思想の一つで、
地産地消や歩行型社会を目指す生活様式を指す。』和製英語だそうです。
「様式」だとか「思想」だとか言われると、
ちょっと後ずさりしたくなってしまうのですが、
普段から歩いて写真を撮っている私は、「スローフォトグラファー」なのでしょうか。
歳をとって歩行速度も一段とスローになり、
そんな行動から見るものも一層、些細なものになりました。
緩やかな坂道を上ったところに花びらが散っていました。
〝日日草〟です。
隣に並んだプランターの花は全く散っていないと思い、
よく見ると造花でした。
夕方、少し涼しくなったので、明日の朝食べるパンを買いに・・
目的のパン屋へは信号の手前から左に曲がるのだけど、
信号の向こうにが気になって、二三歩後ずさりして撮りました。
撮って、どうなるものでもない写真なんだけどね。
福岡県糟屋郡新宮町 / LEICA CL × ELMARIT-TL 18mm F2.8 ASPH.
散歩そのものが目的なのか、
写真を撮るのが目的で歩き回るのか?
退職したいまの私は写真を撮る必要のない耄碌爺さんですから、
写真を撮るために・・なんて言うのはおこがましい。
先日、風呂上がりに、タオルで自分の体を拭いていて、
足が細くなってきたな・・と、ちょっと寂しく感じました。
この夏の、異常な暑さを避けて、
冷房の効いた家の中でごろごろと不健康な暮らしをしていた報いでしょう。
健康のために頑張って汗を流すなんて柄ではなし、
気分転換に散歩なんて、根を詰めた生活でもなし・・
結局、写真を撮るために外に出て歩いていることになるようです。
撮って、どうなるものでもない写真なんだけど、
朝夕涼しくなってきたので、頑張って歩きまわりますかね。
いやいや〝頑張る〟のは嫌だから、歩くのも、写真を撮るのも、
頑張らない、頑張らない。
「ものには順次というものがあると言うとろうもん・・」と、
老ねこの〝ぐれこ〟に叱られている銀次郎と茶太郎。
※2010年撮影。〝ぐれこ〟はすでに他界しています。
グレコ婆さんと茶太郎&銀次郎 / Panasonic GH2 × G 20mm F1.7 ASPH.
猫は大なり小なりみんな我儘なのですが、
度が過ぎて我儘なのが我が家に二匹居ます。
二匹の我儘ぶりは対象的で「静」と「動」。
静の〝もも〟は、じっくりと我を押しつけてきます。
動の〝銀次郎〟は、自分の要求が通るまで煩く鳴き続けて、後は突貫小僧です。
私の朝食はパンです。
静のももの方も洋食系です。
食パンにバターを塗ったものが大好きで、
私が朝食を摂りはじめると横に来て、
はやく自分にもバターをたっぷり塗ったパンを食わせろと目線で圧力をかけてきます。
動の銀次郎は、口に入るものなら何でも来い。
病気の関係で〝ステロイド〟を服用しているので、食欲は異常なほどです。
食事の準備の段階からミャーミャーと煩く鳴いて足に絡んで、食べ物が見えると頭から突進してきます。
「ちょっと待ちなさい。ものには順序と云うものがあります。」
と二匹の猫に言い聞かせるのですが、いくら言っても『馬の耳に念仏』ならぬ「猫の耳に念仏」で聞き届けてくれません。
茶太郎 / LEICA M10-P × SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPH.
茶太郎は何事にも鷹揚で、細かなことは気にしない。
横着といえば横着。
昼寝で、ベット代わりのテーブルから、足がはみ出していようが気にしていない様子です。
このまま、ずるずるっと滑り落ちそうな寝姿を見ていると、
サルバドール・ダリの〝記憶の固執〟に描かれている「柔らかい時計」を思い出させます。
「落ちるぞ」と、身体をテーブルの中央に動かしてやっても、
まるで気にしていないのか、気づかないのか無頓着。
この、のんびりとした生き方が、
我が家で一番の健康優良猫でいられる秘訣なのかも。
見習いたいものだけど、
ねこたちに下僕のようにこき使われている身としては、
気を使わなければならないことも多く、
ちょっと無理かな。