2021年10月アーカイブ


蘇る
木造校舎の
窓磨き


202110 OCT31 003 福岡市東区高美台 leM10P×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市東区高美台 / LEICA M10-P × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


地域の小学校
校舎の窓ガラスが
綺麗に磨き込まれて輝いている

私が小学生の頃は
木造の校舎だった
確かな記憶はないが二階建てだったろう

そんな校舎の窓ガラスを
掃除の時間に磨いていたような気がする
手にしていたのは古新聞だったか・・


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ZJ J0 31 1604 003


線の上
緑の音符
耳澄ます


202110 OCT29 001 福岡市東区香椎 leM10P×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA M10-P × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


バスが長い信号待ちにひっかった
ディーゼルエンジンを切ったバスの中は
突然静寂に包まれる

ストンと
耳の中が無音になる
この瞬間が好きだ

所在なく
眺める窓の向こうに
緑の音符が並ぶ

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ZJ J0 29 1452 001


破れ塀
この傾きが
猫は好き

202110 OCT25 020 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


ねこの丸い目が
私を見つめて
値踏みをしている

危害を加える奴か
餌をくれる奴か
なんの取り柄もない奴か

私は
ねこの目に
どのように映っているのか


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ZJ J0 25 1618 020


開けるには
押しの一手で
引きはダメ


202110 OCT25 018 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


ドアを開けようとした人だけに
見えるかのような
控えめな手書き文字

通りすがりの他所者には
ドアの向こうに何があるのか
知る手がかりはない

横から覗く
葉っぱの色だけに
命宿る路地

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ZJ J0 25 1606 018


ぽっかりと
できた空き地は
エピローグかプロローグか


202110 OCT25 016 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


建物が
取り壊された後にできた
空き地

ゴミが投げ込まれ
草が生え
風が冷たい

ここは
終わりと始まりとの
リレーゾン


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ZJ J0 25 1601 016


赤い椅子
冬の日陰は
肌寒い


202110 OCT25 014 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


初めて飲んだときのことを覚えている
学生服を着ていた
若かった

今もときどき飲みたくなる
バス停の前に自動販売機が置いてある
コインを投入

迷わず赤い缶のボタンを押す
転がり出てきた缶の蓋を開けると
勢いよく吹きこぼれた

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ZJ J0 25 1559 014


なにもかも
この世のものは
やがて塵

202110 OCT25 013 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


鳥居が捨てられている
のではない
嘗てここに祠があったのを知っている

久しぶりに
この町を訪ねてみると
鳥居の前はゴミ捨て場と化していた

押し寄せるゴミの攻撃を
鳥居が大手を広げて
防いでいるかのように見えた


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ZJ J0 25 1550 013


派手柄の
布団に座る
地味な猫

202110 OCT25 012 福岡市博多区千代 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡市博多区千代 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


家と家との
隙間の奥に
空き地が

普通の人は入り込まない
普通じゃないから
時々覗いてみる

猫が居た
座布団の上に
お客のようにすまして座っていた


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ZJ J0 25 1545 012


窓の絵に
ガラス乾板
偲ばれる

202110 OCT24 016 福岡県糟屋郡新宮町 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


沈む夕日に
追い立てられるように
帰りの道を急足

工場の汚れた窓の
ガラスの中の夕日が
もうすぐ森の向こうに沈む

フィルム以前の
ガラス乾板で撮られて写真
そんな古の写真を見ているようだった


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ZJ J0 24 1641 016


秋が去り
冬が近いと
風告げる

202110 OCT24 013 福岡県糟屋郡新宮町 leSL2×niNIHAu28F3.5 pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


我が物顔に咲き乱れ
嫌われ者の
セイタカアワダチソウ

そんな彼らにも
綺麗だと思わせる
ときがあった

季節は過ぎ
緑の葉が茶色くなり 茎の腰が曲がり始めた頃
風が冷たく感じるようになっていた

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ZJ J0 24 1636 013


足元に
灯をくれる
石蕗の花

202110 OCT24 007 福岡県糟屋郡新宮町原上(川上宮) leSL2×niNIHAu28F3.5 pc pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上(川上宮) / LEICA SL2 × NIKKOR-H Auto 28mm F3.5


石蕗の花に
誰かが
ぽっと明かりが灯した

なんという素晴らしい出会いの瞬間
息を凝らし
カメラで丁寧に掬い取ってみる

この一枚のために
導かれるように
ここまで歩いてきた

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ZJ J0 24 1612 007


抜け道の
出口の向こうに
陽が落ちる


202110 OCT23 012 福岡市東区和白東 leM10P×leET28F2.8 pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA M10-P × Elmarit 28mm F2.8


鉤の手になった〝抜け道〟・・
私はこの抜け道をよく利用する
まっすぐな道は味気ない

〝近道〟よりも
遠回りであっても
〝裏道〟とか〝路地〟を選んで歩いてきた

今日は
抜け道の出口の向こうに沈んでいく日の光を見た
日陰になった抜け道立って眺める光がいい感じだった

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ZJ J0 23 1654 012


用済みも
離れず残る
碍子二個

202110 OCT23 011 福岡市東区和白東 leM10P×leET28F2.8 pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA M10-P × Elmarit 28mm F2.8


民家の古い板壁に
2個の碍子を発見

よく見ると
庇の下にも並んでいる

この形の碍子は
電柱や民家の引き込み箇所など身近な至る所で目にしたが
最近ではあまり見かけなくなった

〝碍子〟はガイシと読むみ
電気や通信用のケーブルの絶縁に用いる

若い人たちのなかにはこの漢字が読めなかったり
こういったものの存在にすら気づいていない人も多いだろう

〝焼杉〟(?)の黒い外壁に
磁気製の白い碍子が目を引く
まるで白い鳥が仲良く並んで止まっているようで愉快

このような
些細なもののなかにも
何かしら思い出のようなものを見つけ
心和ますことができるのは

老いたものの
愉しみのひとつだと思っている

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ZJ J0 23 1652 011



空の青
あとしばらくで
暮れの色

202110 OCT23 009 福岡市東区和白東 leM10P×leET28F2.8 pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA M10-P × Elmarit 28mm F2.8


空はまだ青味を残しているが
地の底はもう黄昏の色に染まり始めている

普段
何気なく通り過ぎている散歩道

そこに椅子があることを
今日 初めて知った

この椅子に腰掛ける人が居るのか

少なくとも私はここに人が居るのを見たことはないが
傾いた椅子に腰掛けて
ゆっくり西日を浴びながら・・

煙草を吸うなり
缶コーヒーを飲むなりしながら
来し方を振り返るのも
なかなか
乙なものだ

しかし
目の前の道を他人が行き来すれば
小っ恥ずかしくて
興醒めするだろうから

私はここに椅子を置かないだろうな

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ZJ J0 23 1640 010


茜雲
ゆっくり溶けて
青い空

202110 OCT23 002 福岡市東区高美台 leM10P×leET28F2.8 pc.jpg
福岡市東区高美台 / LEICA M10-P × Elmarit 28mm F2.8


夕焼けは翌日の晴れを予告し
朝焼けは天気が崩れると伝え聞いてきた

たしかに
夕焼けの翌日の天気は〝晴れ〟という
実感はあるのだけれど

朝焼けは・・に関しては
「本当かね?」と思うことが度々

天気の変化は西から東へと移っていく
西の空が晴れる夕焼けは
西にある高気圧が移ってきて晴れになる

東の空が晴れる朝焼けは
高気圧が東に移動してしまって
次の低気圧が流れ込んできて天気が悪くなる・・と
言うことらしい

「春に三日の晴れなし」
「女ごころと秋の空」と言うように
春や秋には天気が周期的に変わることが多いので
この言い伝えも頷けるのだが

冬に向かう今の頃は
天気も安定し
必ずしも朝焼けだから天気は悪くなるとも言えないのだろう

今日もいい天気になりそうな
朝 六時の空

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ZJ J0 23 0600 002


裏春に
赤く色づく
カナメモチ


202110 OCT20 003 福岡県糟屋運郡新宮町 leSL2×leASNM75F2A pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町 / LEICA SL2 × SUMMICRON-M 75mm F2 ASPH.


散歩の道沿いで
生垣の緑が真赤に色づいているのを見かけることがある

植物のことはまるでとんちんかんだから
間違っているかも知れないけれど
〝カナメモチ〟とか〝ベニカナメモチ〟という種類だと記憶している

春に伸びる新芽が赤いのだけれど
今は晩秋

畑地の淵に
赤い新芽の出ているベニカナメらしい木を見つけた
季節外れに色づいてしまったのか

暖かさに向かう春と
寒さに向かう秋とは
ある時期 似通った季節感になるのかも知れない

つまり
この時期は〝裏春〟でベニカナメも勘違いしたのかも知れない

野原が冬枯れになる前
まだ 野原の景色は緑色

緑の中の〝紅〟に惹かれて撮ってみた

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ZJ J0 20 1217 003


白壁に
草が刻んだ
リズム聞く

202110 OCT19 021 福岡市中央区大手門 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区大手門 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


「面白い !」と感じた
ただ それだけ
何が面白いのかは分からない

こころの中でそう感じただけで
頭の中の理屈が絡んでの話ではない

建物の白い壁に
強い光が反射している

その前に植えられた
貝塚いぶきの影が黒い舞台背景になっている

建物の裾のところに
植えられたのか自然に生えてきたのか
また なんと言う植物なのか
分からないけれど

壁からの光の反射を受けて
小さな豆のような葉の形が
妙なリズムを感じさせていた

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ZJ J0 19 1637 021


黄昏て
色深くなる
黄色葉の


202110 OCT19 015 福岡市中央区城内 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区城内 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


日が傾き始め
黄色味のました光が届くころ
こころが
そろそろ帰り支度を始める

お城の中を横切っているときに
黄色い葉っぱが
風に吹かれてて
きらきらと踊っていた

しばらく眺めているうちの
葉の色は一層黄色味を増し
一枚
また一枚と
舞い降りる

綺麗だが
この歳になると
一抹の寂さも感る

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ZJ J0 19 1625 015


楽しげな
眼鏡の二人
影伸びる

202110 OCT19 013 福岡市中央区大濠公園 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区大濠公園 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


長く伸びた二人の影をみたとき
良い写真が撮れる気がした

背中を向けていたので
美人だとか可愛いだとか
そんなことは分からない

今日のレンズは古い35mmレンズ
丁度良い距離感
逆光で出るハレーション

道具立ては申し分ない

続けて二枚撮影
一枚目は二人が横がを見せた瞬間にシャッターを切った

続いて
一人が携帯電話の画面を見せながら楽しそうにしているところを撮った

二枚とも気に入ったが
まずは一枚目から

撮影するときは気づいていなかったが
二人とも眼鏡をかけていること
そして マスクをしていないことを撮った写真で知った

良い感じだ

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ZJ J0 19 1622 013


昔日を
若い背中に
見て歩く

202110 OCT19 012 福岡市中央区大濠公園 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区大濠公園 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


高校生たちが
語らいながら足並みを揃えて歩いている

私が高校生の頃とは
だいぶ様子が違う三人

真面目そうで大人びている
政治や経済のことでも語っていそうだ

自分が高校生の頃のことを考えてみたが
とんと思い出せない

いろいろと悩みもあっただろうが
いまでは耄碌してしまって
全く思い出せない

忘れることの幸せ
そういうこともありだ

老いることを恐れる必要なしと
頷いているうちに
高校生たちは
随分と先に行ってしまった

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ZJ J0 19 1620 012


赤に黒
スクールバスに
映る影

202110 OCT19 011 福岡市中央区六本松 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区六本松 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


高等学校の外周に沿って歩く

以前この場所で
写真を撮ったことがあるので
その後 どうなっているのか
ご機嫌伺いに立ち寄ってみた

前に私の被写体になってくれたものは
綺麗さっぱりなくなっていた

その代わりに今回は
真っ赤なスクールバスが止まっていた

車体の赤は
若き燃えたぎる血潮を象徴しているのだろうか

若者たちの
シルエットが光の中に浮かんでいた

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ZJ J0 19 1612 011


壁這って
西日の中に
伸びる草

202110 OCT19 008 福岡市中央区六本松 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区六本松 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


日暮れが早くなるこの時期
夕方の散歩は
西日の中を歩くことが多くなる

黄昏のころは
光の色が変わり
同じところに佇んでも
昼間とは異なった印象を与えてくれるので
なかなか味わい深い

古希も過ぎ
後期高齢者も目前のこの身そのものが
いわば〝たそがれ〟だから

ことさら
黄ばんだ景色が愛おしく感じられるのかも知れない

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ZJ J0 19 1608 008



冬の路地
花の色真似
洗濯物

202110 OCT19 005 福岡市中央区六本松 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区六本松 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


寒くなり
路地に並んだ植木鉢から
花の色が消えた

そんなことを思いながら
路地を抜けかけたとき

つんと足が停まった

来た道を振り返って
「花の色は無くても彩はあるなぁ」と
面白がって撮ってみた

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ZJ J0 19 1606 005



車窓から
眺める街は
赤信号

202110 OCT19 001 福岡市中央区天神 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区天神 / LEICA M10P × Smmaron 35mm F2.8


バスの窓越しに
のんびり外を眺めるのが好きだ

それは何もバスに限ったことではない
乗り物ならなんでも良いのかも知れないが
今日はバスの話し

ただシートに座っているだけで
外の景色が勝手に移り変わって楽しませてくれるのだから
なんと楽なことか

バスに乗ると
だいたい同じ場所に座る
これは意識しているのではなく
習慣である

福岡のバスは中央部のドアから乗車し
前のドアから降りる

ほとんど場合
乗車ドアより前の方
そして左側の席に座る

前の方は一人席で気楽
左側は歩道に近いので
写真に撮る被写体が見つけやすいからだろうと思う

と 云うことで
こんな写真が撮れた

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ZJ J0 19 1523 001


花暈し
花は日陰に
咲いて良し

202110 OCT17 002 福岡市東区和白東 leTL2×siCo45F2.8DGDN pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA TL2 × SIGMA Contemporary 45mm F2.8DG DN


昼下がり
腹を空かせた爺いが
ゆるやかな坂道をとことこと下っていく

ときどき
足元が怪しくふらつく

「歩くのが下手になったな」と爺いは
口の中でつぶやく

坂の途中で写真を撮った
できた写真を見た人は
「なんじゃ ピンボケじゃ」と言う

でも爺いは
「こういうのを狙ったんだよ」と
負け惜しみのように言う

私は爺いの気持ちが
分からないでもないので
紹介してみる

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ZJ J0 17 1313 002


音途絶え
列車待つ間の
夕の空

202110 OCT14 007 福岡市東区和白東(JR福工大前駅) leSL2×leASNM50F2A pc.jpg
福岡市東区和白東(JR福工大前駅) / LEICA SL2 × APO SUMMICRON-M 50mm F2 ASPH.


時刻は夕刻の17:38分
鉄道の高架橋の上から
夕暮れ時の駅を眺める

一日の勤を終えて
それぞれのねぐらに帰るひとたち
その立ち姿にどことなく倦怠感が窺える

停車している電車の派手なライトとは裏腹に
ホームはどことなく寂しい空気に包まれている

列車の往来が途絶え
鉄道が発する元気な音は消え
束の間
ホームを沈黙が支配する

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ZJ J0 14 1738 007


蜘蛛の糸
顔に張り付け
藪抜ける

202110 OCT14 002 福岡市東区高美台 leSL2×leASNM50F2A pc.jpg
福岡市東区高美台 / LEICA SL2 × APO SUMMICRON-M 50mm F2 ASPH.


我が家は
山地を切り開いて開発された
いわゆる振興住宅地にある

家の近くに小高い丘が残されている
地域の住人が散策するために整備したのは良いが
その後の手入れがずさんで
あまり気持ちの良い場所ではない

久しぶりに日暮れ前に丘に上がってみた
蜘蛛の糸が顔に張り付いたりで相変わらずだ

丘の端に新しい住宅地が造成され
JRの駅の方から丘の向こう裾に沿って
新しい住宅地に繋がる細い道ができていた

薄暗いその道に立って
さてどちらに行こうかと思案していると
向こうから女性がやってきた

女性は一瞬、ギクっとした様子を表したので
私は女性の恐怖心を取り除こうと
もときた道を引き返した

振り返ってみると
女性は駆けるように通り過ぎているところだった

あの女性は
もう この道を通らないだろうな

そして
道には蜘蛛が巣を張るようになるのだ

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ZJ J0 14 1715 002


チャプチャプと
再開発の
波迫る

202110 OCT12 005 福岡市中央区渡辺通 leSL2×leASNM50F2A pc.jpg
福岡市中央区渡辺通 / LEICA SL2 × APO SUMMICRON-M 50mm F2 ASPH.


世の中の景気が悪いからなのか
大きなお金が動く
〝再開発〟が盛んに行われている

巨大な力が
調子に乗って
見慣れた町を
どんどん踏み潰していく

そうして
新しい町の形ができあがり

そこが
以前 どういう場所であったかが忘れられてしまう

市街地のなか
立地条件は悪く無いところに
車の離合も難しい道幅の場所が残っている

近くに来た時には足を向けてきた一画にも
じりじりと再開発の波が押し寄せてきている

工事現場を取り巻くフェンスの波模様が
〝再開発の波〟を象徴しているようで皮肉に思えた

私の町歩きのリズムが
また一つ乱れてしまった

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ZJ J0 12 1557 005


レコードの
ジャケット写真
偲ぶ曲

202110 OCT12 004 福岡市中央区渡辺通 leSL2×leASNM50F2A pc.jpg
福岡市中央区渡辺通 / LEICA SL2 × APO SUMMICRON-M 50mm F2 ASPH.


いつもの場所
お決まりの被写体
何度もここで写真を撮っている

レコードジャケットが窓に置かれた
ジャズ喫茶の前を通るたび
気になって眺めている

店の中に入ったことがないので
いま店内に流れている音楽の
ジャケットが窓辺に置かれているのかどうかは分からない

その日のジャケットが気に入れば
写真に撮る

ジャズのジャケットは良いものが多い
特に黒白写真が渋い

レコードからCDに移行し
写真のサイズが小さくなり
ジャケット写真がつまらなくなった

音質が優しいと
レコードの人気が盛り返しているらしいが
ジャケット写真の魅力も
一役買っているのではないだろうか

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ZJ J0 12 1554 004



この階段
「駆け上がるべし」と
云うことか

202110 OCT12 002 福岡市中央区渡辺通 leSL2×leASNM50F2A pc.jpg
福岡市中央区渡辺通 / LEICA SL2 × APO SUMMICRON-M 50mm F2 ASPH.


私の暮らす福岡に
南北に走る〝天神地下街〟というのがある

普段は北の端の入り口から入り
地下街は中央部くらいのところまでしか利用しないが
暇と興味にまかせて
南の端まで行ってみた

突き当たりの階段にたどり着いたとき
人の姿が見えないので
写真を撮ってみようと階段を見上げたとき

人が駆け上がっているような絵柄の誘導灯が見えた
〝非常口〟といった文字による表示は見当たらないが
常識的に判断して
「非常時にはここから出なさい」といったことだろうが

性根がへそ曲りなものだから
「この階段 走って上るべし」なのか? と

再び
人の姿が無いことを確かめてから
駆け上ってみた

写真に撮る姿も
階段を駆け上がる姿も
人に見られると
ちょっと
恥ずかしいものだ

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ZJ J0 12 1548 002



闇照らす
スポットライトの
縁に黒猫

202110 OCT10 002 福岡市東区高美台 leTL2×caL25F3.5 pc.jpg
福岡市東区高美台 / LEICA TL2 × Canon L 25mm F3.5


〝闇夜の鴉〟ではなく
こちらは黒猫

そして
闇夜ではなく
外灯の下に
ちょこんと座って
「写真撮りなよ」と待ってくれています

日没が早くなり
のんびり歩いていると
散歩からの帰りは夜道になってしまう

日が暮れたから写真は撮れないと
油断は禁物

今日も最後に
鴉でも猫でもなく
カメラが〝カシャッ〟と鳴いた・・

「ブレボケだな」と・・最後に笑ったのは私

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ZJ J0 10 1851 002


水面に
出船入船
跡を曳く

202110 OCT09 005 福岡市東区(汐井浜橋) leTL2×caL25F3.5 pc.jpg
福岡市東区 / LEICA TL2 × Canon L 25mm F3.5


日暮れは良いね
今日も一日
何事もなく終わったと思うと
ほっとする

高架になっている都市高速道路を走るバスの窓から眺める
この景色が好きだ

特に日暮れどきは良い
低く差し込む黄昏の光が
水面の模様を印象的にしてくれる

折よく
船が戻ってきた
バスの窓は閉め切られ外の音は聞こえないが

航跡を眺めていると
船のエンジンの音が聞こえているような気がしてくる

今日も一日無事に終わった・・と
軽やかな音が

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ZJ J0 09 1714 005



墓石の
間を繋ぐ
くもの橋

202110 OCT09 003 福岡市中央区唐人町 leTL2×caL25F3.5 pc.jpg
福岡市中央区唐人町 / LEICA TL2 × Canon L 25mm F3.5


たまには
普段の散歩道から外れて
他の地域に足を伸ばしてみる

見慣れないところでは
物珍しさもあって
刺激を受けるものに出会うことも多い
のだけれど

毎度毎度
そういった僥倖に出会えるという保証はない

わざわざ遠出をしてきたのに
本日の釣果は零というのでは情けない

写真が撮れなくても困ることはないのだけれど
多少の焦りを感じ始めると
なんだか妙なものを撮ったりする

塀の向こうは墓地らしい
頭を出した二基の墓石を繋ぐかのように
雲が浮かんでいた・・と
言ったような

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ZJ J0 09 1619 003



202110 OCT09 002 福岡市早良区百道浜 leTL2×caL25F3.5 pc.jpg
福岡市早良区百道浜 / LEICA TL2 ×Canon L 25mm F3.5


仕事からも退き
毎日 暇を持て余している

気楽であるけれど
時として
脱力感に襲われることも多い

老け込むのも嫌なので
何か仕事見つけたり
することを探したりして
やりくりしながら暮らしている

家の中で
ごそごそ体を動かしているだけでは
気が晴れないので

たまには遠出と
バスを利用して
東から西の方へと大きく移動

見慣れない街は
他所者にはなかなか手強く
写真は2カットしか残せなかった

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ZJ J0 09 1556 002



霞む秋
ぼやける母娘の
後ろ姿


202110 OCT08 008 福岡県糟屋郡新宮町原上 leTL2×leERM24F3.8A pc.jpg
strong>福岡県糟屋郡新宮町原上 / LEICA TL2 × ELMAR-M 24mm F3.8 ASPH.


材木加工工場
今日の作業は終わったのか
電動鋸や鉋の音も消え
静まりかえっている

その窓に
夕焼けの空が映っている

焼けた空の色は
せんこう花火の玉が
落ちる直前の色に似ている

儚き色は
深い赤

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ZJ J0 08 1742 008



日が沈む
せんこう花火の
色に似た



202110 OCT08 004 福岡県糟屋郡新宮町原上 leTL2×leERM24F3.8A pc.jpg
strong>福岡県糟屋郡新宮町原上 / LEICA TL2 × ELMAR-M 24mm F3.8 ASPH.


夕日に向かって
ぷらぷら歩いていたら
横を自転車が走り抜けていった

どのような写真になるという
目論見もないまま
ピントもいい加減で
咄嗟にシャッターを押した

見事に露出不足

それをなんとか見えるところまで
持ち上げてみた結果

なんとも懐かしい色合いの写真が
浮かび上がってきたので

いい調子に仕上げようという
悪あがきは止して
古ぼけた色あいを楽しむことにした

それこそが
今日の私にとって〝いい調子〟だと思えたので

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ZJ J0 08 1710 006



古ぼけた
色の写真を
懐かしむ


202110 OCT07 002 福岡市東区和白東 leTL2×leERM24F3.8A pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA TL2 × ELMAR-M 24mm F3.8 ASPH.


民家の階段の途中

いつものところに
いつものように置かれているサボテンの鉢

夏でも
冬でも

この階段の下を通るとき
ついつい見上げてしまう

何が
そうさせるのかは分からないけれど
時には写真も撮ってみる

さすがに寒くなってくると
サボテンの顔色も冴えないけれど

初冬の光の中
いつものところで
いつものようにサボテンは
頑張っていた

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ZJ J0 07 1159 002



いつものところ
いつものように
サボテンのはち


202110 OCT07 001 福岡市東区和白東 leTL2×leERM24F3.8A pc.jpg
福岡市東区和白東 / LEICA TL2 × ELMAR-M 24mm F3.8 ASPH.


雑草一本生えていない
塵ひとつ見当たらない

まるで
モデルハウスのような家

新しい生活を祝福するかのように
良い天気

玄関に置かれた子供用の自転車は
幸せな家族の象徴のよう

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ZJ J0 07 1156 001



自転車の
可愛い籠に
何入れる


202110 OCT05 005 福岡市中央区天神 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区天神 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


近代的な街にはあまり興味はなく
むしろ 街のなかに残された
後ろ向きな町に興味を惹かれることが多い

しかし 街なかでも
面白いと感じて写真に撮るは当然ある

後ろ向きな町には湿り気が漂っているが
街には光と影とが交錯する
乾いた面白さがある

私の暮らす地方都市では再開発が盛んで
古いビルが取り壊されていく

それまであったビルがなくなると
街の中に射す光が変わる

光と闇の狭間に立つ男
暗から明へ踏み出そうとする女を

新しい光が
街の様子を
ガラスのスクリーンに映しだしていた

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ZJ J0 05 1157 005



サイレント
喧騒掻き消す
ガラスのスクリーン


202110 OCT05 001 福岡市中央区天神 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市中央区天神 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


横合いの道から
大通りに出たところで
手を挙げている人を見かけた

タクシーを呼び止めていると思ったが
紙封筒を手にしているのが気になって
写真を撮ってみた

すると
そこに一台の車がやってきた
タクシーではなく普通の乗用車

男性は停まった車の運転手に紙封筒を渡し
封筒を受け取った車はすぐに走り去った

ただ とれだけのこと
面白いのか
つまらないのか
分けの分からない寸劇はどうでも良いとして

大きなビルが取り壊され
歯の抜けたような
街の姿が背景にあった

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ZJ J0 05 1152 001



タクシーに
乗らなくなった
退職後


202110 OCT04 003 福岡市東区高美台 leM10P×leSma35F2.8 pc.jpg
福岡市東区高美台 / LEICA M10-P × Summaron 35mm F2.8


住宅の駐車場に子供用の自転車が倒れいる
いつも このような状態で倒れている

それにしても最近の自転車はプラスチック部品が多い
軽量化で子供にも取り回しがし易い利点もあるし
子供の成長にともない
使用期間が短く
プラスチックで十分なのだろう

倒れている自転車を眺めていて
気がついた

この自転車にはスタンドがない
以前は補助輪がスタンドの役割も担っていたのだろうが
補助輪の必要がなくなって以降はこの状態なのだろう

補助輪の付いていたところが
茶色く錆が浮いている

私は補助輪付きの自転車に乗った記憶がない
いつのまにか自転車に乗れるようになっていて
最初から大人用の自転車を与えられて乗っていた

戦後すぐのどさくさの時代
三輪車はあっても子供用の自転車なんて

不思議なもので
自転車は一度乗れるようになると
いつまでも乗れる

歳も歳なので
いまさら自転車に乗ろうとは思わないけれど

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ZJ J0 04 1301 003



自転車が
補助輪外して
寝待ちしている


202110 OCT03 012 福岡県糟屋郡新宮町原上 soα7C×soFE50F2.5G pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G


稲刈り間近の畑
畦道には
彼岸花が枯れた姿を残している

害鳥避けの鳥凧が最後のお勤めと頑張って秋風に舞い
遠くで鹿威しの爆発音も鳴っている

こういった眺めも
そろそろ終わり

散歩から帰ったら
季節変わりに備えて
衣替えをはじめなければ

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ZJ J0 03 1710 012



鳥の凧
稲穂の上を
高く低く



202110 OCT03 010 福岡県糟屋郡新宮町原上 soα7C×soFE50F2.5G pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G


とくに上昇志向が強いといったことはないのだが
見上げる視点が好きなようだ

自分では意識していなかったが
散歩の途中で撮った写真をあとで眺めてみると
土手下から
土手上を眺める
といった見上げる写真が案外と多いことに気づく

頭の上には空
見上げると空が目に入る

空は背景にするだけではなく
空そのものに心を奪われることもある

季節や時間によって
空の色は千変万化し実に表情豊かだ

雲も浮かべば
鳥も飛ぶ

空は自由だ

しかし
鳥のように自由に空を羽ばたければ
どんなに楽しいか・・とは思わない

高所恐怖症だから

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ZJ J0 03 1702 010



沈む日の
光がフェンスに
引っかかかっている



202110 OCT03 012 福岡県糟屋郡新宮町原上 soα7C×soFE50F2.5G.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G
https://www.facebook.com/shigeo.maruo


畑の片隅で
刈り取った夏草を焼いていた

煙は
周りの茄子畑を燻す

それを様子を見て
この煙は害虫の駆除に役立つのか?・・などと考えながら
風下の立って煙に巻かれていた

枯れ草の
焼ける臭いは嫌いではない

煙に燻されても平気と言うことは
私は〝害虫〟ではないということなのか? と

ちょっと嬉しくなった

でも 益虫でないことは自分で分かっているから
鬼太郎の〝ねずみ男〟が半妖怪というのに倣って
〝半害虫〟ってとこだろうか

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ZJ J0 03 1659 012


沈む陽と
煙に霞む
秋の茄子


202110 OCT03 011 福岡県糟屋郡新宮町原上 soα7C×soFE50F2.5G pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G


蔓草が
伸びはじめた頃
気楽に風に吹かれていたら
うまくフェンスに引っかかった

「ラッキー!」と
フェンスを梯子にして
このまま天まで上りつめようと目論んだけれど

世のなか
そんなに調子良くいくはずもなく
意外と早く
梯子の丈が尽きてしまった

さて これからどうしたものかと
蔓草の迷いが
穂先に表れている気がした

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ZJ J0 03 1653 008

写真が撮れた日



頂きに
立てば明日の
風が吹く


202110 OCT03 007 福岡県糟屋郡新宮町原上 soα7C×soFE50F2.5G pc.jpg
福岡県糟屋郡新宮町原上 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G


暑い
いつまで経っても夏が居座っている

散歩には
夕方の陽が翳り始めるのを待って出かける

日没はどんどん早くなるので
うろうろしているうちに
日暮れがやってくる

こんな様子に「秋だな」と思うけれど
まだまだ日中は暑い

この暑さに疲労困憊なのは
人間だけではない

カラスも恨めしそうに
空を見上げて喘いでいる

夏好きだけれども
そろそろ暑さも「ごちそうさま」と言いたくなる

しかし 秋から冬へと季節が進むと
また 暑い夏が恋しくなる

月日は
こんなことの繰り返しだ

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ZJ J0 03 1636 007

写真が撮れた日



暑気あたり
喘ぐカラスの
声細く


202110 OCT02 004 茶太郎 soα7C×soFE50F2.5G pc.jpg
茶太郎 / SONY α7C × SONY FE 50mm F2.5 G


取り込んだ洗濯物が入っている籠の中から
猫の手がヌッと突き出ていた

それが微妙に揺れて
ときおり手のひらが開く

まるで
おいでおいでと手招きされているようだ

取り入れたばかりの洗濯物には
まだ太陽の温もりの残っている

その温もりが気持ち良いよと
誘ってくれているのか

しばらく観察していて
手だと思っていたのが
実は脚だったということが分かったけれど

考えれば
四つ脚 前脚 後脚というのだから
前も後ろも
全部脚なんだ

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ZJ J0 02 1708 004

写真が撮れた日



そろそろ秋
温もり求める
うちのねこ

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